先月末に終了した地下光学展の資料をアーカイブとしてまとめるからと、アーカイブ担当Yさんから頼まれていたコメント提出を、いまほどようやく完了。
書き出せば早いのだから、「忙しいからちょっと遅れるね」などと言い訳メールしているあいだにも出来そうなものだけれど。まぁともかくは「宿題」を終えた気分だ。
また同展に関しては、次号マイスキップ(新春号です!!)でもレポートが掲載されることになりました。そちらのほうは年内印刷に向けてゲラもあがってきて、いま校正作業中。
下は、まだ掲載していなかったなかから「
作品搬入・展示作業時」の光景。
地下光学でのおまけの画像。
地下室で郷土料理の「のっぺ汁」を食べようとしている図、なのだが、まずはスマフォで写真を撮るのがお約束。

地下光学展。
とある美術評論家のかたが今回の外山文彦作品について、「無機的絵画」という言い方で評されていた。絵画と言うならたしかに「絵画」でそうした個人的な感覚はあるものの、「絵画性が有る」ということでは興味深い論点。最終日のギャラリートークでもそうした話題(質問)が出ていた。
ところで絵画性ということならば、単純にはむしろ
前月の横浜での個展作品のほうがと一見は思えるところ。でもこの「一見」というのは厄介で、ときに不確かなことがある。こちらの作品を
「まごうことなき現代美術」と言い現代美術を標榜して高く評した評論家もおられて、論点が深い。
以上、
今朝起きがけに書いた<野性論>の記事に続き、回想というか後日談というか、地下光学
会期中に書こうと思いつつ(主に時間の不足で)書けなかったこと。
(2016.12.04 pm23:50)

田島鉄也「
〈野性〉論
」。
地下光学展で出展作家である氏は、この著作を
中央の一室に設けた「小品・販売コーナー」に持ち込んでいて、会期初日に私はさっそく買い求めていた。
決して「じょんぎ買い」ではない。じょんぎ買いという言葉は私の周辺でよく使われていて、新潟の方言だとはこれまで知らなかったのだけれど、要は「義理で買うこと」を指す。つまりギムとかギリではなく、購入動機はシンプルに、氏の考えかたに興味を持ったからである。
氏は大学は違うものの同期で、大学の卒業間際にその名前を知った。その後、友人付き合いをしたりすることもなかったから、今回の地下光学が一緒におこなう初めての「活動」である。特記しておけば、
ギャラリートークでも話したことだが、今回の展覧会の核となるコンセプトの作成やその決定において
彼との共同作業ですすめており、出展作家の構成も最終的にはふたりで決めたかたちとなっていた。
彼は理系の大学の出身。理科的な仕事をこなしながら現代美術に進み作家活動を継続している点、私と同じである。一方で制作への手法、作品の成り立たせ方など、その作品に関してはほとんど共通しないどころか、おそらく対をなす。共通項と非共通項が興味をそそる対比を成し、自分自身の原点というか根底を見つめるためにも読んでみたかったのである。
会期初日にすぐ買い求めたのは、会期中に読破して最終日のギャラリートークに臨みたいという考えがあった。でも、行間を考えながら読んでいたら時間が足りなくなり、まだ半ばにも達していない。

地下光学展、小品コーナーの棚の一光景。田島さんの著作もここに置かれていた。
上の画像右側のワインボトルを使った「作品」は大和由佳さん制作で、彼女が今回展開していたインスタレーション&映像作品と関係性をもたせての小作品。一方、下の画像左側のアルコール類は、
前にも書いたが最終日の宴用にといただいたもの。なぜか馴染むのは困ったことか、それとも場の特性か。

Dungeonのblog「地下室ブログ」にて、
地下光学展最終日におこなったトークイベントのもようが紹介されましたので、以下リンクを貼っておきます。
● http://chikashitsu.blog.shinobi.jp/地下光学/トークイベント

この日曜に終了した「地下光学」について書きたいことが相当残っている。簡単に言えば面白い展覧会だったとなるのだが、そう簡単に括ってしまうと大事なものが抜け落ちないかと気にかかり、意味に奥深いところがあるように感じている。
書きたいのは昨日のような
会場近くのタバコ屋の表記がどうのこうのでは勿論ない。
あいかわらずの多忙さはもう少し続きそうで、どれだけ書けてどれだけ公開できるかわからないけれど、とりあえずまずは過去記事のindexを下に。
カテゴリーとして「地下光学」を分けているからそちらを参照してもらっても概ねいいのだが、別のカテゴリーで書いたものもあったりして、ここは敢えて記録としてまとめてみた。
さて上の画像はDungeonの最終日、閉幕直前の頃合いの棚。販売用の小作品や出展作家の著作、展覧会のチラシを置いていたスペースだったが、お祝いにといただいたアルコール類が増え、並び出している。
地下光学 過去記事のindex
●展覧会案内:http://atelierzen.blog.fc2.com/blog-entry-3682.html
2016.09.04 【
アトリエZen秋の展覧会としての紹介】
2016.09.25 【
刷りあがった案内チラシ、特設サイトの開設】
2016.11.12 【
展示作業風景-01】
2016.11.15 【
展示作業風景-02】
2016.11.19 【
オープニングの夜の一光景】
2016.11.20 【
インスタレーション/各作家の作品リスト】
2016.11.22 【
会場風景-01】
2016.11.23 【
会場風景-02/DMに使った画像について】
2016.11.24 【
来場者のレビュー 「謎の地下空間」】
2016.11.25 【
会場風景-03 】
2016.11.27 【
作品紹介/地下室ブログから 】
2016.11.29 【
地下光学閉幕に際し 】
2016.12.03 【
最終日のトークイベントの報告(地下室ブログ) 】
会場について(新板橋の駅と橋、会場への目印など)
●おまけ/
会場近隣の風景:
商店街/
首都高の高架と新板橋タバコ屋のある風景:

Dungeon
地下光学展、終了しました。
8日間という会期は(展覧会のスケールからしたら)短かったかもしれません。展覧会当事者として濃密なときを過ごしながら、あっという間に終わった感があります。でもそれにも拘わらず、また場所がいわゆる都心とはちょっと離れているにも拘わらず、実に多くの方からご来場いただきました。観客の反応もすこぶるよく、テーマに掲げた4作家の「表現」とこの「地下室」との関係も絶妙なものとなり、実りある展覧会になったと思います。
作品の
搬入・設置作業が12日からでしたので、約半月間、地下室Dungeonに直接関わったことになります。昨日作品搬出を終え、半月ぶりに空っぽになった地下空間になんとも言えない思いを感じたのは、達成感や満足感とともにその裏返しにもあるようです。今年は
首都圏での展覧会が8月末以降続いていましたが、これで全日程を終えました。
美術展「地下光学」、開催中。27日(日)まで。
今日は東京で雪が降ると、昨日からニュースでさんざん伝えられてきた。
11月とすると54年ぶりの降雪らしい。晴れ空がのぞく長岡に居て私はわからないが、Dungeonも雪なのだろうか。(ちなみに私の今後の在廊予定は、26日(土)の一部時間帯と27日(日)になります)
さて同展に関し関東在住の知人が自身のホームページでレビュー的なことを書かれている。建築関係の専門職に従事されているかたで、なので個々の作品についての細かな言及ということではなく、内容は建築的な視点から。
http://tatazumai.c.ooco.jp/zakki/zakki_1611.html
※
「日本の佇まい」というサイトの雑記帳欄、2016年11月21日付の記事
その記事のタイトルは、そのままストレートに「謎の地下空間」。
氏が文中で使った「地下ピット」という言い方は建築用語になるのだろうが、そう言われればその言葉はしっくりくる。ただ「単なるピットと呼ぶにはあまりにも大断面の強靭な構造体で囲われる」から純粋ピットというわけではなく、要は不可思議で、謎は謎のままの地下空間である。


美術展「地下光学」は昨日一昨日と2日間の中休みをとりましたが今日から再開、つまり後半突入です。27日(日)まで開催中。
この前半(私は2日間の在廊でしたが)、予想していた以上に多くのかたに足をはこんでいただきました。そのなかで目立ったのが、出展者の友人とか関係者ではなく「展覧会のチラシを●●(他市の美術館等)で見て……、それで初めてここに来た…」という来場動機のかた。会場が銀座などの画廊集積地や繁華街だったりすればまた別だけれども、この「板橋本町の住宅街」という立地条件は、単に一般論的に見れば「(フリーで置かれていた)チラシで遠方からひとが動いてくる」ことはまずそうないと思える。だからそうした訪問者が割と居て、この「地下室」に迎えていたことに新鮮な感覚があった。またチラシの画像やデザインが訴求力を持っていたということで、チラシのデザイン・制作者として喜ばしく思っているところ。
ちなみにDMでいえば表側に使用した画像も私の撮影で、こちらの写真もなかなか評判がいい。昨年Dungeonに初めて訪問した際の撮影で、つまり展構想を立てる以前の頃。DMに使うことの想定も意識もしておらず空間のメモとして撮ったものがそのまま「本採用」になっている。無意識と言いつつ、スペースにたまたま置いてあった小さな机を手前に写り込ませたのは、かなり意識的ではあるけれど。
またDMで表側の下半分を占める展コンセプト文の執筆は田島さんが担当している。
Contemporary art exhibition
地下光学 “Underground Optics”
会期:11月18日(金)~27日(日)/休廊日:21日(月)、22日(火)
出展:田島鉄也、外山文彦、フジタヨウコ、大和由佳
● 展覧会案内:
http://atelierzen.blog.fc2.com/blog-entry-3682.html
● 特設サイト:
https://chikakougaku.wordpress.com/
● 地下光学・公式フェイスブックページ:
https://www.facebook.com/chikakougaku/
● 作品リスト
Dungeon、地下光学展。
「覗いたり、靴を脱いで入り込んだりして見る作品あり、なかなか濃い鑑賞ができる内容」
(by 展特設サイトの日記)になっています。
12日の作品設置作業の開始から10日が経ち、作品そのものと地下室空間の馴染みもすすんできて、いい展覧会になっているという感触があります。
この21,22日は展覧会は中休みで、23日(水・祝)から後半が始まります。最終日27日(日)には14時からアーティストトークがあります。トークの後の懇親会も含め、どなたでも参加できますので、興味ある方はぜひご来場ください。懇親会では持ち寄り大歓迎です。
■ 地下光学 特設サイト :
https://chikakougaku.wordpress.com/