昨日は柏崎での
野外展「夏の庭」の最終日。
昨朝のblogに記したように作品搬出に行っていて、展覧会終了の寸前に撮ったのがこの画像。
日射しが強くて、太陽が眩しくて。角度的にもどうせファインダーはよく見えないからと、
ノーファインダーで撮った一枚。背後にブルーのシャツを着た女性が通るのが目視でわかっていたから、絞りを調整し、被写界深度を浅くしてシャッターをきったところ、思いがけずいいショットになった。
作品素材の“エンジニアリング・プラスチックの棒”はそのほぼ全部がちょっとくすんだ白色で、一般的な“綺麗な”色には遠いもの。そのなかに保護色のような緑色が2本だけあり、その1本に焦点があう。芝の写り込み方の感じもいいと、展覧会の終わりに密かに自画自賛というわけである。
【作品のコメント/2020.08.02】
せっかくなので作品片付け後の風景を。最後はこんなかたちに。
作品の本質にはまぁ関係ないところだが、今回の作品の特徴には手軽に搬入出可能なことがある。ティッシュボックスとさほどかわらない大きさの箱に収納され、設置時の必要工具も巻尺だけだから、軽いし紙袋ひとつで搬入出オッケー。ともすれば電車やタクシーでも可能というコンパクトさはミソとなろうか。
ちなみに書いておけば、“棒”の所用本数を何本にするか?は大きな問題で、搬入出の利便性の追求では決してなくて、作品を成立させる観点から決めることになる。だから5月頃に、作品の最終検討段階で会場の一部を使わせてもらって現地試作と実験をしていた。blogにも書いたような気はしていたものの、いまバックナンバー見てみたら特に記してなかったようだ。
“棒”は200本強用意したが、数を多くし大量に並べるという現代美術の手法にも倣って、最初は400本に増やそうかどうかと思案していた。現地試作時の検討から200本に決めたが、それは数で圧倒させるよりも芝の美しさを活かすにはとか、グループ展という形態の制約のなかで自作に余白や余韻を持たせるにはとか、そうした視点も当然のように内包する。また400の場合は、追加の200本は色を白以外に変え「2本だけの緑色」みたいなことはやめるつもりだった。
搬入出の利便性の追求ではないと書いたが、収納の箱はまだ半分くらい空きはあるから、倍に増えても大きさは変わらなかったと言えるのは余談。


大きさをつかむ尺度として画像に入れたティッシュボックスは、新潟のひとにはなじみの深かった「クスリのコダマ」製。アブブちゃんなるキャラクターがいる。
地場のコダマは全国チェーンのココカラファインにといつしか移行してしまい、長岡にはコダマと看板を掲げる店はいまあるのかどうか。ちょっとわからない。アブブちゃんのティッシュはココカラファインでまだ買えはするけれど。
そんななか柏崎市内で見つけたコダマは、用事は隣のスーパーで飲み物を買うものだったけれど、その希少性につい足が止まる。
Landscape

柏崎での野外展に出展中。
Landscapeと題したインスタレーション作品です。上は会場の案内板に記したコメントで、特にプリントでの配布はされていませんし記録としてwebに転載しておくことにしました。2週間前に
野外展の自作品コメントを書いているとblogに入れましたが、それがこれ。
ここに記したとおり何も作ってはなくて、市販されている硬質なプラスチックの棒を、専門用語ではエンジニアリング・プラスチックというのですが、それをそのまま芝生面に突き刺してただ立てています。作品構想時には会場の特性を見るのですが、管理人のかたから会期中は草刈りをしない、芝もその間けっこう育つ(伸びる)と聞いていて、それを楽しみにしていますので、その意味からしたら元々そこにある「庭の芝生」が作品みたいなものでしょうか。“棒”が埋まるほどはさすがに伸びないでしょうが、そこまで育ったらそれはそれで面白いです。
作品の要素になりますので、展覧会主催者に提出した作品材料名の欄には「エンジニアリング・プラスチック、庭の芝」と書き入れました。
6年前の1月に自身の(作家活動の)ウェブサイトを作るとき、art worksとして
1:平面作品、
2:インスタレーションとともに、
3:野外作品(Open air Exhibition)の項目を設け、それぞれに分けて作品画像を掲載するよう計画した。
そのとき「野外作品」ページに載せたコメントは以下の通りで、
なるほど初めて野外展に出展したのが1995年だから今年でちょうど四半世紀なのねとあらためて気づく。今年参加する野外展で自作品のコメントを提出しなくてはならず、いま書いていたところだったから、野外での県外での発表もあったななんて思いながら「四半世紀」なる言葉も書き入れることにした。
その作品コメントの締切は迫っていて、昨日とかに依頼されたわけではないからさっさとやっておけばいいのだけれど、この種のコメントはいつも締切寸前になる。
art works -Open air Exhibition-
野外彫刻を扱っているわけではないので特に野外アート作家という意識はないが、今回数えてみたら 1995年の「発作魔偶名野外美術展」(糸魚川市)に参加して以降、野外展には 「弥彦・野外アート展」、「Nのための食卓」栃尾守門岳展、 同・寺泊海岸展、長野県・玄照寺での境内アート、大地の芸術祭「雪アート・プロジェクト」と、実に数多い参加があることに気付いた。1998年発行の 『現代美術の断面~日韓90年代後期の現況』(出版:京都国際芸術センタ-)に掲載された作品も、その書籍のためだけに野外インスタレ-ションを敢行しているから、どこか繋がる意識があるのかもしれない。 これまで使った素材は鉄板、ステンレス板、石膏、角材、布、犬の置物etc、要素に組み入れるべく「場」は、雪原だったり池だったりお寺の境内だったり海岸だったり。webサイト開設にともない各々の差異と繋がりを、あらためて振り返りながら掲載すると面白いと思ってはみたものの、いかんせん時間不足で現在(いまだ)工事中。
(2014.01.18)