

本願寺の新潟別院が与板にある。
次号のマイスキップの企画面を担当していて、ここでの写真が必要だったので撮りに行ってきた。記事の企画自体は、特に「別院」にスポットをあてたわけではないけれど。
NHKの天地人を機に(おそらく)建てられただろう観光施設が隣接していて、そちらは道路からも案内が大きく出ていて目立つのだけど、この別院はやけに静かなたたずまい。
本願寺の別院といえば新潟ではここだけの由緒ある建物だし、もっとアピールすればと最初は思ったが、まぁふつうに地元の人間が訪れるには(妙な観光化をせずに)これくらいがよさそうか。入口には長い解説書きもある。

新潟別院の山門をくぐると、「侠客・杉澤利平」と書かれた高さ3メートルくらいの大きな碑が左手にあるのだが、今回のマイスキップではそれを取りあげている。

「侠客」とは、ウィキによれば「封建体制における無法者・ヤクザが自らの存在を正当化する場合に用いた自称」とのこと。碑なるものは言ってみればどこにもあるから、それ自体は特に珍しいわけでもないが、「侠客」とわざわざ書かれていて、なぜ侠客が碑になるか?となると珍しさも増す。ということで、今回はその謎を追ったというわけである。
私が「追った」みたいな口ぶりだが、正確にいえば長岡在住文筆家のSさんが調べあげての執筆。私は編集側の企画担当、つまるところ記事制作に関わる雑務作業役で、アンド写真撮影係である。
現在校正段階だが、なかなか面白く、興味をひくまとめかたが出来たのではないかと思っている。
杉澤利平なる名前は、ひょっとするとちょっとマニアックなのかもしれないが、与板町の明治・大正時代における土木事業の先駆者で、大河津分水の大工事などに「杉澤組・組長」として関わっている。町へ貢献した功績がしっかりあるからこそ碑になっている、とも言えるわけである。
同記事掲載のマイスキップ11月号は、今月末くらいに発行される見込み(予想)です。お楽しみに。