下見的にザッと見た範囲なので感想めいたことは控えたいが、ただ、わかりずらいかなという感じもなくはない。個々の作品ということではなく、全体の流れ的なもので。この辺りは、展覧会カタログを読めば(おそらく)詳しい解説もあるだろうから解決もするのだろうが、そのカタログはまだ出来あがっておらず今月下旬からの販売とのこと。
展覧会やっているのにカタログが出来てないなんて何なんだ!と怒ってはいけない。 カタログが遅れるのは美術館の怠慢でも印刷工場の事故でもなんでもなく、「実際の会場写真をカタログに収録する」という目的で、印刷入稿が早く済ませられない点にある。昨今のインスタレーション展などではあることで、インスタレーションだと、会場写真が掲載されないカタログだと意味も半減するからね。

展覧会開催中にカタログ印刷をする(つまり開催中の初期にはカタログが買えない)という例でいえば、私が最初に接したのは横浜市美術館での「斎藤義重による斎藤義重展」である。約20年も前の展覧会。
タイトルが示す通り、作家自身が作家の旧作と最新作を素材にして「新たな空間構成」を目的としたという、当時とすると画期的な企画で、氏が89歳のとき、1993年の開催。わざわざ横浜まで、それだけを目的に観に行ったが、カタログは(出来あがってないからと)その場では買えなかったという記憶がある。

そういう企画趣旨であれば、当然会場写真がはいってなければそもそも展カタログにはならないわけで、遅れて出来てきたカタログには実際の展示空間だけでなく、その制作プロセス(斎藤氏が指示を出し、展示をすすめている風景)までもが20ページにわたって収録されている。美術館にとってみれば当日売れないというのは売上面でのネガも背負うわけで、そうまでして作った甲斐もあろうかという貴重本。だいぶお世話になったからか、ボロボロになりかけているが、この機会に写真におさめてみた。
さてGUN展のほうに話を戻すと、要はカタログの発行が遅れるのもそれだけの理由があろうということで、そのカタログには当日の何がどういう具合に収録されるのか、とても楽しみなところではある。あと、展覧会場内の説明パネル等を読んでいて、私の理解とは異なるところが2か所ほどあり、そうしたことも研究してみたいと思っている。