そのときは、25年前というと「四半世紀だよなぁ」という言葉の響きの「重さ」に、軽い気持ちで(印刷会社から安価なオンデマンド印刷を勧められたこともあって)制作してみたのだが、残部がほとんどなくなったことを機に、再度、その内容をつぶさに振り返ってみると、面白い気づきがあるものである。 特に意識していなかったが、1993年2003年と10年スパンで制作活動の節目を迎えていたことが見てとれた。さらにその前の1983年も(小冊子には記載してないが)画家を目指そうと思える作品を生み出した大きな節目の年だったし、今年の2013年も制作活動的には、たぶん節目になりそうだ。

今年は新潟県立近代美術館が開館20周年だったり、知り合いの都内ギャラリーが20周年を迎えたなど、周年企画が廻りで相次いだこともあるが、もともと昨年あたりから、10年前とか20年前とかのいわゆる周年的なところの興味があった。
だから、この機会にこれまで自分がどんな作品を創りどう活動してきたかの検証を、10年をひとつのキーワードでしてみたいと思っている。いまは新しい作品を生み出すよりも、そちらを優先できればという気持ち。新作個展の予定もとりあえずないしね。
ということで時間をみては10年前ごろの写真を探したり整理しているのだが、いったん探す気になると(自分でも忘れていた)写真が出現したりする。
右はそのひとつで、中越地震直後の壊れかけた雁木の緊急補修の風景。 応急的に耐震材(ブレース)をありあわせの木材で組み入れたさまが、アーティスティックに感じてしまい、思わず写真に撮っていたもの。
当時連載していた情報紙コラムに「アートのある風景」という写真をときたま載せていたが、さすがに被害の甚大さの前には「アートですねぇ」などと呑気に言えるわけもなく、そのままお蔵入りになっていたのだった。
ちなみに中越地震は2004年なので9年前。「約」10年前の写真となります。ちょうど10年前の展覧会写真なども、今後適当にアップしたいと思っています。
