昨日の新潟日報、社会面。今年の流行語大賞に過去最多の4つが選ばれた、とのことで、 選考委員の政治学者氏の「今年は流行語の収穫の年だった」との談話が紹介されていた。でもそんな自信満々の談話を聞かされると、逆にふ~んと、ちょっと気にかかる。テレビをほとんど見ないから「テレビ主導の流行」をよく知らないということもあるけども、流行ってのがちょっと薄っぺらくなってやしないか、なんてことも頭に浮かんだりするわけである。
それと「おもてなし」ってのは、本来の語意とは使われ方が微妙にズラされている気がして、あまり好きになれない。その言葉が出てきた背景などを考えれば美術に関わるものとしては単に「流行しました!」と喜んではられず、むしろその微妙な差異を突いてアイロニカルに表現し、今年の第68回徳島県美術展で受賞した四十宮隆志氏の作品「オモテナシニハ、ウラガアル」のほうに魅かれてしまったりする。おもてなしは文字通りオモテがない。表にはなくってウラにある、というのは本質をついているだけでなく、世間的流行語を駄洒落的に活用変換し、社会問題のリアルな表現として秀逸だから。