誰かが「黒い白鳥

で、たまたま出かけた書店で衝動的に買い求めたのが、氏の短編集、「アリバイ崩し」。
アリバイ崩しというジャンルは実はそう好きでもないが、では単刀直入すぎるタイトルの本をなぜ買ったかというと、理由がふたつある。 巨匠といっても今はそんなに品揃えもされてないようで選択肢がなかったという後ろ向きの理由と、付録的に収録されていた著者自身の短文エッセイ「ミステリー執筆時の(私の)トリック発想法」が興味深かったという、ちょっと前向きな理由。
トリック発想法は古今東西いろいろあるらしい。アガサ・クリスティは入浴してリンゴをかじっているときにすばらしいトリックが浮かぶと言ったそうだが、ではジョン・ディクスン・カーは何と言ったか。エラリー・クイーンは逆に何を言わなかったのか。自身の発想法に触れつつ書かれたそんなエッセイを、面白く読んだ。