
右上は、知人からのいただきものの壁面レリーフ全景。斎藤氏はこのレリーフだけでなく、庭自体も制作したと思われる。「思われる」というのはいささか曖昧な表現だけれども、この「庭の制作者」については明確な記述があまりないようで、例えばこの美術館を全面的に取り上げた1993年の新潟県立近代美術館開館記念展「大光コレクション展」のカタログにおいても、「レリーフは斎藤義重」という記載がありながら、かつ庭の写真も同時に載せていながら、庭のほうは制作者の記述がまったくなく斎藤義重の関与は記されていない。
だから「私自身は氏が庭も一体で手がけたものと判断している」というのが正確なところか。もちろんそれはカンで言っているわけではなく、そう判断した資料なり根拠を持っているが、ここでは割愛。いまの興味は特殊な構造をしているアーケードのほうで、氏がアーケードの形態にもひょっとしたら大いに関わっていたのか、あるいは意識をどこまでしていたかということ。壁面レリーフ、前庭、アーケードの三者の関係がすごくいいと思う。
