展覧会を控え自身の作家資料を見直していた。
個展スケールでの最初の発表は1985年、東京蒲田のローマ画廊での二人展だったと今更ながら思ったが、そこを作品発表活動の基点とすれば今年は30周年にあたっていた。そんなことはすっかり数えもしないでいた。
学生時代から延々としつこくやっている平面のシリーズは3年前、続けていたら四半世紀だったことに気づいて記念冊子を制作したが、今度の30周年は失念していたから特に予定がない。3年前のその冊子の在庫が底をついたからと、増刷しようかというのがせいぜいである。
蒲田のローマ画廊は、蒲田駅前にあった4階建てくらいの大きな喫茶店(喫茶ローマ)に併設された画廊で、喫茶店の壁ということではなく、入口脇5段くらいの階段を下りたところに独立して設けられた半地下のそこそこ広いスペース。
昭和ティストがふんだんに漂っていた本体の「喫茶ローマ」含め、30年も経つと聖地巡礼的な訪問にとても興味をひくが、今はもうビル自体もなくなっているらしい。
画廊の展示のほうは基点だけあって写真を手元に残しているが、「喫茶店ビル」の外観は撮ってないのが今からすると残念。当時はそういう建築外観に今ほど興味を持たなかったのかもしれない。外観もたしか昭和ティストあふれる喫茶店ビルの風情で特徴的だったはずと思うけれど、その程度でしか覚えていない。