新潟県立近代美術館にシルクスクリーン版画が収蔵されるなど版画家、工芸作家として名高い舟見倹二(1925-)は、戦時中の18歳のころは中島飛行機に勤務し「ヒコーキ」大好き少年であり、当時軍用機をひたすらスケッチしていたものが遺されている。そのスケッチは長らく封印されていたが、2007年に(私の企画で)「ヒコーキ馬鹿の現在」展としてBOX-ART作品とともに展示したのが、初めてになるだろうと思う。その軍用機をスケッチした小品が高田のてんぷら割烹に飾られていたというわけである。ちなみに会場は今はなき、新潟市のエスクィントギャラリー。
同展のDM(↓)にはその鉛筆画から1枚を右上に入れた。作品のクレジットは「昭和19年頃の鉛筆画(東京空襲の下で、20歳前)」。この展覧会ではスケッチ原画ではなく、高精度にプリントしたものを限定で用意、氏の手製額に入れて展示している。

同展に関して新潟日報文化欄に寄稿した記事から最後の部分を抜粋すると、
……舟見は戦時中の十八歳のころ、中島飛行機に勤務、大空を飛ぶ軍用機の雄姿を描いており、本展ではその鉛筆画もあわせて展示。これらは七十枚以上描かれたなかの現存する十二枚のプリントで、赤く焼けたわら半紙が生々しさを伝えている。
(2007年4月11日 新潟日報文化欄/舟見倹二BOXART・ヒコーキ馬鹿の現在展)