
昨日の読売新聞「日本画巨匠の偽版画」を読んでいたらその裏側つまりテレビ欄に、「名作照明ドラマ」とあるのが目に入った。
最初「名作(の)“照明ドラマ”」というふうに見えてしまい、自ら名作と名乗るのも可笑しいしそもそも照明ドラマって何だろうと思ったが、よくよく見たら「“名作照明”(の)ドラマ」であった。とは言っても、専門店を舞台にする名作照明のドラマも珍しく、異色。さらにはNHK Eテレ、つまり教育テレビで放送されるというのも珍しい。珍しついでに、同紙にこの日載っていた試写記事の「光と影が織りなす映像が心の機敏をも照らし出して秀逸」なる記者感想にも興味を覚え、昨夜の第1回を見てみた。
登場人物は照明器具専門店の店員(黒島結菜)と店長(古舘寛治)に、訪れた客。ほぼこの3人。訪れる客は毎回ゲスト俳優が充てられて変わるのだろう。この日はイッセー尾形演じるすし屋の頑固職人。この道40年の古い寿司屋。特に凝った照明を求めたわけではなく自店の電球が切れたから100Wの電球を買いに来た、というただそれだけの話だけれど、その人物の背景にもさりげなくスポットがあてられ、物語となる。会話のテンポもカメラワークも独特なムードを醸し出し、なるほど、記者のいう「秀逸」というのもわかる気がする。映像が心の機敏をも照らし出すという表現は、照明ドラマにあってなるほどと思った次第。
全5回、月曜夜7:25~
●黒島結菜が「光」で苦悩を晴らす、NHK『ハルカの光』(cinra.net)
https://www.cinra.net/news/20201222-harukanohikari