

先の記事
「外山文彦作品コメントに関し-01」のつづき。
外山文彦作品はタイトルが記号のように数字の羅列となっていることが近年ほとんどだが、「屋根からの風景」という、作家的には珍しい題名の作品を今回出展している。詳しくは、あるいは興味を覚えたかたは下記のコメントをと思うが、今回展のために考えて用意された作品で、展示位置も計画段階から完全に確定していたもの。入場受付から順路でナンバーをつけるならばNo.1となる。
その最初の部屋は自然光が少し入り込むだけでスポットライトは無く、「既設の黒い板」を背景にした作品は自然光の具合によってはほとんど目立つことはなく、さりげなくいる。奥の広いほうに視線が向いたりすると、暗い小さな壁のNo.1は案外と見過ごしてしまいやすいかもしれない。そうしたさりげなさを含めての、意図した一番目である。
● ギャラリー湯山「巳巳展×外山文彦展」は6月26日まで。土曜・日曜のみ開館。
展覧会案内:
https://atelierzen.blog.fc2.com/blog-entry-6288.html
作品コメント/ 屋根からの風景 (画用紙に水彩)
中学1年のときに描いた絵を今回トリミングして展示することにした。
と書けば何なんだそれは?ときっと思うだろうから、その動機と背景を記すことにする。
元々の絵は夏休みの宿題である。「絵を1枚描いてこい」という宿題は、単に教員のノルマでしかないような、子供心にはどうでもいいようなものにしか思えず、なぜ描くのか夏休みにとそこに意味も目的も皆目伝わらなかったから、まったくやる気はおきなかったもの。だから結局、夏休みの最後の日にしょうがなく、嫌々描いた水彩画となる。
モチーフ考えるのも面倒くさいからと、自宅の屋根に登ってのそこからの風景画。
小学生のころから「色は自由だ」と知っていたので、その頃いつも「見える色」ではなく「感じた色」で描いていた。なので色の抽象化はあるけれど、でも屋根から見たままだから意識としてはいわゆる「具象画」となるだろう。当時セザンヌを知っていればよかったが、知らないままの中学生は塗り残しがあれば絵は完成しないと思い込んでいたから、もう何でもいいからとにかく早く画用紙全部塗ればいいと目指したことをよく覚えている。
嫌々だから当然のように当時まったく気に入ることはなかった。でもそのはずが、最近物置から見つけたその1枚が、授業中に描いて教師からもやたらと褒められたものよりも断然面白く、ちょっと輝いて見えたのである。
おそらく理由は、何でもいいからとにかく早く埋めるということは、何も考えずただ筆を動かすことイコール無意識の領域と言え、意識しないまま案外自分自身の「素」がそのまま出た面白さではないか、そんなことを考えた。自身の原点みたいなものがどこか垣間見れるかというのは思いつきだったけれど、そんな「思いつき」をすすめ、「いま」の視点でのトリミングで作品化したいと思ったのである。
(外山 文彦)

開催中の
「巳巳展×外山文彦展」に対し、“杢兵衛の部屋”なる
2階巳巳展の作家コメントを先週アップしている。会場の掲示パネルからの転載であるが、では1階の外山文彦展のほうはどうかというと、こちらも作家コメント(会期スタート後の5月1日執筆)を割と長文でパネル掲示している。
企画として「W」個展であるから、2階作家はblogに転載しながら1階は(会期がだいぶ進んだ現時点でも)blogに出てこないのはおかしく見えそうだけれど、いちおう理由なるものはあって、1階外山文彦展コメントは会場の奥(順路上、最後にあたるところ)に掲示していることが挙げられる。
巳巳展では2階に上がった入り口に掲示しているように、たいていこうしたパネルは冒頭に掲げられ、つまり作者の意図なり考えを示してから作品を観てもらうという想定になるが、順路の最後に掲げたというのはその点で意味が変わる。最初には聞かないほうが(細かくて申し訳ないが作家的には)いいと思うことや、ちょっとしたネタバレっぽいことも含まれていて、ロングランの展示でこれから来場しようとするかたも多いだろうなかwebに掲載するのはどうなんだろうと思ったわけである。
まぁコメントを何も載せないというのもどうかと思うから、「屋根からの風景」と題した、新作では決してないが今回初めて発表される相当異色な作品についての作家コメントを会場に掲示しているので、そちらを載せたいと思う。言い訳みたいなことを書いてたらだいぶ長くなったので、次のエントリーにてアップします。

作品の納品があり本日は柏崎市に。
約束の時間にちょっと早く着いたからと、途中、柏崎市役所の写真を撮ってみる。市役所は何年か前に柏崎駅前に新築移転しており移転後初訪問。住所は「日石町」で、その名が示す通り嘗てこの場所には日本最古の製油所である「(旧)日本石油加工柏崎工場」があった。その明治時代建築のレンガ造は通称「レンガ棟」と言われていて、
保存するのか解体するのかと話題に出だした2005年、マイスキップの特集記事にしようと取材に行っていて、だから思い入れもそれなりにある場所。そう言いながら撮った写真は、別に何ということもないものだけれど。


柏崎ということで帰路は
游文舎に立ち寄り、「たけべ」と題されたたかはし藤水インスタレーション展を観る。
ギャラリー湯山で開催中の「巳巳展×外山文彦展」。実際の会場風景何点かに解説的な一文を加えての広報チラシを印刷しました。こちらは巳巳さんの編集・制作で、「歴史/空間」「聖と静」という、今回のW個展を氏が簡潔にあらわした言葉が見出しとして入れられています。
松之山温泉街の各旅館、日帰り入浴施設をはじめ松之山近辺の主要施設、大地の芸術祭の拠点に既に配布(設置)されています。
ちなみに2作家のポートレートが載っていますが、この印刷物に入れるための目的で、会期始まってから“互いに”撮りあったものになります。下記チラシ画像はクリックすると大きくなります。
●[
2階巳巳展(杢兵衛の部屋) 作家コメント]
長岡小嶋屋CoCoLo長岡店の店内展示“
蕎麦×アート”、
現在飾っている品田朋香さんの作品リストです。
CoCoLo長岡店“蕎麦×アート” vol.73
■ 品田朋香 / 展示作品リスト
展示案内:
https://atelierzen.blog.fc2.com/blog-entry-6392.html
展示 位置 |
no. |
作 品 タ イ ト ル |
サイズ(額の大きさ) |
A |
1 |
Spica |
350×350mm |
B |
2 |
Pisces |
350×350mm |
C |
3 |
し ろ う ま |
350×350mm |
D |
4 |
mistletoe |
350×350mm |
E |
5 |
Voyage |
400×400mm |
F |
6 |
灯 台 |
350×350mm |

●蕎麦店の壁面を彩る企画です。アートの織り成す時間と空間を、おいしいお蕎麦などとともにお楽しみください。
■作品は購入できます。お問い合わせはアトリエZenまで。
[
問い合わせ先]
または、メールでatelierzen99☆yahoo.co.jpまで。(☆を@に)


彫刻家・霜鳥健二さんが築50年の民家をDIYによりギャラリー化した「gallery SAI」のオープン記念展に。燕市まで。
1階4部屋、2階3部屋、プラス玄関や廊下を使って計100もの作品が展示されている。内訳は霜鳥さん自身の作品70点に、併設展示「展覧会を共にした作家たち(所蔵作品)」として1室に設けられたコーナーの他作家分30点。ちなみに私自身の作品もかつて小品展を一緒にやった機会に1枚所蔵されていて、2002とサインがされているちょうど20年前のミニ作品もそこに入っている。
画像は外観入口部分と、手製(鉄製)の看板を。

さて、先週は作家打合せで上越市に1日行っていて、5月6日から今日までの10日間で考えてみたら、十日町市松之山(
ギャラリー湯山「巳巳展×外山文彦展」)に4日間だから今日の燕市を入れると6日市外に出掛けていたことになる。60%だからなかなか仕事も押されて忙しくなるわけで、
先週から長岡小嶋屋に飾っている品田朋香さんの展示作品リストをアップしたいと思いつつまだやれていない。それは明日のアップとしたいと思います。
(2022.05.16 pm19:30)
開催中の「
巳巳展×外山文彦展」から。
1階(外山文彦展)は空間に対して仕掛け、2階(巳巳展)は
その場所の持つ歴史(具体的にはかつてこの地域に頻発していた「地すべり」災害)に対して思考する。上の画像はそうした視点の違いを1枚にできるものかと、階段の吹き抜けから1階2階を同時に狙ってみたもの。先のクール、8日(日)の撮影。
展覧会公式サイト:
https://atelier-zen.jp/mimitoya.html
展覧会は土曜・日曜のみの開催。今週末の14日(土)・15日(日)は、私は両日とも終日在廊しています。また作家の巳巳さんは
在廊予定表には記載ありませんが、この週末も2日間にわたって当地に来られることになりました。ただし展覧会のPRで近隣を廻る予定もありますので、巳巳さんがギャラリーに居る時間は限られるかもしれません。