
ギャラリー湯山「巳巳展×外山文彦展」、好評開催中です。
築110年古民家ギャラリーの“場”に対し2人がそれぞれの視点で向き合い、階を隔ておこなっているW個展企画となりますが、2階の3部屋で作品展開する巳巳は全体を「杢兵衛の部屋」と題し、この地域にかつて頻発していた地すべりを作品テーマに設定。「地域に伝承される『500年前、止まらない地すべりを 鎮めるため自ら人柱となった杢兵衛』」について空間作品として呈示しています。作家のコメントを以下記します。 (また、現場での制作光景については2枚ほど画像で先般紹介しています)
展覧会案内:https://atelier-zen.jp/mimitoya.html
杢兵衛の部屋/作家コメント
このギャラリーのある松之山はかつて地すべりが多かった所です。
地すべりは1日に数センチずつ大地が動き、家屋や田畑を破壊する「一寸刻みの恐怖」とも呼ばれる異様な災害です。
500年前、この地に大規模な地すべりが発生し、それを鎮めるため自ら人柱になった杢兵衛という若者がいたという言い伝えがあります。 私はこの部屋を「杢兵衛の部屋」と名付け、太古からの自然と人間との関係、死者と生者との関係を考えます。
ちなみに、奥の部屋の床の間にあるのは、卵の内皮を乾かしたもので、作者・巳巳とその家庭で溜めた約30年分です。死者に手向ける花と供え物の意味があります。
作品に使われている本については、杢兵衛は文字が読めなかったであろうと思われ、犠牲になるほどの胆力の持ち主であり学問すれば一角の人物になれたであろうという追悼の意と、歴史は書かれた文字として伝えられるということを表します。
巳巳

会場に掲示された同コメント。画像は意図があってカメラの露出を違えて(極端に暗くなるように)撮ってますので、実際は真っ暗ではまったくありません。