
ギャラリー湯山「巳巳展×外山文彦展」から。外山文彦展のほう。
DMに画像として使った「Landscape」という作品である。
先の週末の開館日、朝一番で来場された知人とは会場内では会えなかったが、あとからSNS上で 「納戸に設えられた『Landscape』。高窓の外で風にそよぐ木々の気配との対比が見事」との感想をいただいた。上の作品についての言及で、流石よく見られていて、文章をよく書かれているかただけあって実にうまい表現を、的確にするものだと思った次第。
この窓は作品のキーポイントだが、写真に撮ろうとすると室内は全体的な暗さの中の部分的ダウンスポット、それにプラス屋外の明るさとなると光のギャップがあり過ぎて、写真技術的には相当難易度が高いもの。上記感想を聞き、カメラの露出や設定を変え窓の外の木々の緑色を入れて写そうと思ったものの、手持ちのカメラだとようやく上の画像程度。思ったようには写り込まず、眼で見るものとはやはり違う。

その部屋内、土壁に対し少しだけ浮かせて掲示したパネルには、展覧会全体の作家コメントとして、 「意識するのは毎回、場とのコラボレーションで、今回も囲炉裏といった見た目にわかりやすいものからさりげないものまで、『場』の要素を作品に組み入れている」と記載している。
そこでは囲炉裏を代表例に他は「さりげないもの」までといった書き方に抑え、細かく要素を列挙することを避けている。くどくどと書き連ねてもそれが逆にスポイルするという判断だけれど、この部屋のインスタレーションにおける「高窓およびその外部」は、作品要素として取り込んだ建築既存の「さりげないもの」のひとつとなる。窓の縦格子というのもキーである。
ギャラリー湯山「巳巳展×外山文彦展」
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