
サントリーのビールに
プレミアムモルツがあるけれど、かつて「サントリー・モルツ」と言ってた要はプレミアムではないほうの、“ふつう”のモルツビールは無いのかしらと思ってみる。スーパーなどの店頭でいま見かけることは一切無いからだ。プレミアムになるとプレミアム分の数十円が加算されるし、モルツは美味しかったという記憶の好印象があるから猶更だ。
ネットで調べると現在は店舗ではほぼ売ってなく、ほとんど通販専用品にと化しているようで、割と安価に出ていたから試しに買ってみた。写真を撮りつつ飲んでみるとけっこう美味しい。プレミアムではなくとも麦芽100%ビールだしね。
ただこの缶のデザイン。なんでローマ字に直してそんなことわざわざ入れるのか知らないけれど「UMAMI」って大き目に書かれていて、なんだかDASAIよねと、
現在は死語なのかもしれない言葉をつい発してしまった。銅色はいいだけにこちらも猶更。
昨年11月から
佐藤秀治氏のレビューと称したカテゴリーを設け、
氏が新聞等に発表した原稿をひとつの記録としてささやかながら掲載しているが、今回はそのvol.4。(15年前の記事です)
虚と実のカンバス間を往来 ~外山文彦展CANVAS
評:佐藤秀治 (美術家)
●2008年7月11日 新潟日報文化欄掲載
「新しい表現」に携わることは、新作での発表が常であると思われ、そこに顕著な変容がつかみづらく期待を裏切られたと思うことがある。つまりせっかちな人もいればゆったりと歩みをすすめる人もいるのに、鑑賞者は依然として高所から作品を吟味すること、「いい悪いの判断」に執拗に固執することがある。作者の求める方向や課題、こころの揺れに波長を合わせ謙虚に読み取ってみたいものである。
外山作品の印象は、ぶれない仕事の継続である。一見しただけでは前作との異なりを見いだせないくらいその具体的変化は薄い。作者の関心はそこにはないということである。作品構造は、カンバスの裏地を選び支持体としていること。さらに塗り込まずに生地を見せるところと満遍なく彩色した二種二面の分割再構成画面である。常に複合面であるということ。一作品はおおむね幾つかの単体カンバスでの組み合わせとなっている。この点だけでも数年間変わらず取り続けてきたスタイルである。面白いのは異なる面の主従の関係を決めないこと、観る側にそれを委ねているところである。
「モーニングス」シリーズを例にすると、四つの単体から構成されていて、その一部は同型を反転し再構成していることに容易に気付かせられるのである。そこでいや応なく自分の強い意識でさらに元に戻して見ようと試みる。作者が提供した実のカンバスと仕組んだ虚のカンバスの間を往来することになる。今作品の作者の意図は他に二点仕組まれている。会場でその揺れを読み取っていただきたい。
記事index/
2022.11.03
vol.1
蔵ISM・クライズム-蔵の中での現代アート-伊藤希代子、関根哲男、前山忠(2004年9月14日 新潟日報文化欄)
2022.11.27
vol.2
蔵・展―5人の手法(2003年9月1日 新潟日報文化欄)
2022.12.29 記録としてアップすること、および氏の一作品 (年末の“まとめ”記事として)
2023.01.18 vol.3
舟見倹二の軌跡展~油彩の変容から~(2009年3月30日 新潟日報文化欄)