エックス展の次回展(vol.13)が来年3月開催と決まりました。
出展に興味のあるかた、検討されたいかたは下記に連絡ください。参加要項が出来ていますのでお送りいたします。お問い合わせもどうぞ。
●問い合わせ先:[
アトリエZen (メールフォーム)]
[前回および前々回展の記録]
左:2021年開催「
エックス展vol.11」、左:2022年開催「
エックス展vol.12」。それぞれ画像をクリックすると各展websiteにつながります
車で移動中に大手通りで信号に停まった。それをいいことに、再開発工事中の(かつて大和長岡店や旧長岡現代美術館があったゾーンの)建築物の進捗状況を車窓から撮ってみる。

旧大和長岡店や
旧長岡現代美術館の建物解体に際してはやたらと写真に収めていたけれど、新築工事のほうはひょっとしたら初かもしれない。

電線とカラス。あるいは青地に黒のボーダーとシルエット。アイフォン向けても逃げずにポーズとるようだったから、そのまま撮影。
今年は
マティスの大規模な回顧展があると1月に記した。
そのとき見たプレスリリースでは「観覧料は詳細が決まり次第、展覧会公式サイトでお知らせする(=その時点で未決定)」とされていたが、いま見たらチケットは「日時指定予約制」とのこと。
同じく東京都美術館でおこなわれ、空前の混雑大行列で
美術館に入るまでに3時間とか5時間待ちと言われた(らしい)若冲展の例もあるから、混雑具合は気になっていた。いちおう書けば、
公式サイトからは(日時の予約をしても)「各時間枠の開始直後は混雑するから入場まで待つ場合がある」とか「会場内の混雑等により入場まで待つ場合がある」と念を押されている。さすがに数時間待ちではないだろうけれど。
https://matisse2023.exhibit.jp/

マティスといえば2021年に国立新美術館で予定されていた「自由なフォルム」と題した展覧会が
ウイルス禍により開催延期となっていたが、そちらは来年の開催(2024年2月14日~5月27日)となっている。
https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/matisse2024/
“満月の夜君んちへ行ったよ”が
突然YouTubeに現れ吃驚した…と書いていたけれど、また出てきた太田裕美テクノポップ期のロンリーピーポー2にはさほど驚かなかった。YouTubeは視るとそれに関連するものを“おすすめ”で出してくるから、この時期テレビに意外と出てたんだという感想をもつくらいだが、タイコ叩きながら歌う姿は木綿のハンカチーフのイメージしかないと目を丸くするかも知れんよね。わたし的には背後左のパーカッションのひとのなんともアグレッシブな叩き方が目に留まるのだけれど。
太田裕美 ロンリーピーポー2
https://www.youtube.com/watch?v=8FR5gYf_3HU
ちなみにこの曲の作詩は銀色夏生ではなく下田悦郎。
おまけのようにこんなの(↓)も“おすすめ”してくるから、つい視てしまったのは40年前の「おしゃれ」なるテレビ番組。NY留学からの帰国直後、テクノポップ期突入寸前の出演である。
おしゃれ 1983.03.03 太田裕美 ニューヨーク帰り
https://www.youtube.com/watch?v=uMImmvgHEz8
聞き手が40年前の久米宏ということも目をひくのだが、スポンサーが資生堂でその40年前のコマーシャルも含めてアップされていることは更に目をひいた。
●[後日の雑談] 2023.04.11 そのパーカッショニストは

薬局の前に置かれた自販機に「長岡市内小学生作品」としてプリントされていた。

昨日の写真から。
カテゴリを「
佐藤秀治氏のレビュー」としてみたが氏が書いた論評ではなくて、逆に今回は氏の作品へのレビュー。いささか古い出典であるが15年前のもの。
氏の作品について長岡市
ギャラリー・イーズでのインスタレーション(2007年)の画像を昨年末に挙げていた。菊の支柱竹を縦横に組むというこの作品を取り上げた理由を書けば、とても好きな作品であり、大作だということがまずあったけれど、作家自身が2008年はじめの「新潟現代美術家集団GUNの軌跡展」の際に執筆・発行した小冊子「私の“青の時代”」に於いて「先回のイーズでの作品は、私が私に誇れる作品であった」と明快に記していることも大きい。
この素材でのインスタレーションは2007年
ギャラリー・イーズのほか、屋外の大階段広場・踊り場を舞台とした「
弥彦・野外アート展」、美術館庭園の緑の中に展開した翌年の「
今井美術館個展」と、特性を大きく違えての三会場でおこなわれていて、下に載せるレビューはその今井美術館個展に関し(同様にこの場所でインスタレーション個展をおこなった)前山忠展とあわせ、新潟日報紙の文化欄に大きく取り上げられたものになる。
竹や角材配置「空間」が作品
変化する新たな視界 ~佐藤秀治・前山忠 各々のインスタレーション個展
評:外山文彦
●2008年10月9日 新潟日報文化欄掲載
インスタレーションという表現手法がある。直訳すると「設置」。ある空間のなかに事物を置くことを意味するが、単に置くだけでなく、天井、床、壁など、それを取り巻く周囲も作品の要素とする。空間全体を作品とする点でオブジェとは異なる。
「大地の芸術祭」をはじめ近年の国際展をみると、絵画や彫刻、いわゆる平面や立体といった枠にとらわれない表現が主流であり、映像やパフォーマンスなどとともにインスタレーションは有力な表現スタイルになっている。見附市・今井美術館で先月今月と相次ぎインスタレーションによる注目すべき個展が企画された。佐藤秀治(長岡市)、前山忠(上越市)という、ともに県内現代アートの草分け的存在の作家によるものである。
佐藤秀治展(2008年9月5日~14日)は、菊の支柱(竹製)を縦横に組んでの作品。立体構成としての造形美というわけではなく、自然界でクモが巣をつくるように竹を1本ずつ紡ぐように組む。この素材自体でいえば、昨秋の弥彦野外アート展に端を発し、その翌月に長岡のギャラリー空間で室内インスタレーションへと昇華させたものと同じであるが、作品の表情は軽やかに変化する。現場制作時の空気や時間をとりこんでのその味わいの差異は、インスタレーションならではのものといえるだろう。
開催中の「前山忠の視界2008」(※10月3日~26日)は、タイトルが示す通り「視界」をコンセプトとする。「何気ない日常の情景や風景のなかで出くわす、何か目をひく場面。その一部を意識的に切り取ったり、持続させるような仕掛けをしたい」と自身が語るように、近年ライフワークとして追究するテーマである。
美術館ギャラリー、庭、旧工場跡である別館の三会場を駆使し、それぞれで趣向を違えたインスタレーションを行っている。ギャラリー(室内)と庭(屋外)で使う素材は同じもので、3.5センチ角、長さ4メートルの角材、合わせて約百本である。
庭ではその角材を、既存の彫刻や石、立ち木、建物の外壁、竹林など、もともとそこにあるものと相互に関係させながら、一周、巡らせるように配置する。
前山は、木のフレームを設置して新たな視界を呈示する作品を各地で展開しているが、ここではそれを連続化させる。動きのあるダイナミックな構成で、シリーズとしての新たな局面もそこにみえるが、鑑賞者がその「場」に遭遇することで新たな視覚体験をさせる「仕掛け」にこそ作家の真骨頂があろう。
一方、ギャラリー空間では、建築の小屋組みを模したように角材を配置して俯瞰的にみせる。見せ方としての面白さもあるが、よくみると床や壁に対して意図的なズレがあり、角材も互いに平行ではない。直方体の建築空間のなかでのそうした微細なズレの蓄積が、庭作品とは違う「視界」を意識させる。素材の違いがない分、「場」の特性がより鮮明に浮き彫りになり、インスタレーションとしての魅力にあふれている。
(評者:フリーキュレーター・美術作家/※掲載時の肩書き)