
来年は辰年。干支のデザインをふたつ。
早くも買い求めた年賀切手はともかくも、サントリーの缶ビールにも早くも“辰”が登場していた。
昨日の話。居間で点けっぱなしのテレビが通りがかりに眼に入り、何気なく見たらテロップに「
モネだけの展覧会、10年以上ぶりの開催」とあった。上野の森美術館で開催中のモネ展のことで、朝の情報番組で一コーナー設けられ、紹介されていたところを見たようだ。
「モネだけの展覧会」と見た瞬間、ん?でもモネ展は6~7年前に大規模なものをやってるぞと違和を覚え、そこで書棚から取り出してきたのは当該展覧会のカタログ。2015~16年に東京・福岡・京都・新潟の4か所で開催された「
マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」である。
取り出しついでに写真にまで収めたけれど、モネ「だけ」なる記述の謎はカタログ開いて3秒でわかった。出品作品のリストの一番目に、当時とりわけ親しくあった(と言われている)ルノワールが油彩でモネを描いた肖像画があるからで、他にもこの2015~16年のモネ展では収集家としての顔に焦点をあて、モネが収集した作品も紹介されている。
だから「モネだけ」というのは「モネ〈が描いた作品〉だけの展覧会」のようで、決して間違いではない。けれど、美術展企画上からしたらちょっと腑には落ちないところ。展覧会の切り口がどうとかこの際無視しちゃって、一般への広報に「10年以上ぶりの開催」というキャッチコピーを入れたかったんだなと流石メディア主催だと、そんな感想にいきつく。まぁ運営する以上は集客は肝心だから批判しているわけでもまったくなくて、いちおう書けば、いまの時世をよくあらわしているように感じている。
ちなみに「100%モネ」とさかんにされている広報に、もう10年以上前の「
100%セザンヌ展」を思い出した。
モネ 連作の情景
東京展は「産経新聞創刊90周年・フジテレビ開局65周年事業」
会期 2023年10月20日(金)~2024年1月28日(日)/上野の森美術館
【
詳細】
2024年2月10日(土)~、大阪・中之島美術館に巡回
昨日は『長岡の町を明るくする会』の少人数での会議があり、議題は構想検討されているアートイベントのことでぜひと頼まれ出席。会場は長岡市トモシアの会議室で、建物入口のデジタルサイネージに映された「今日の(各部屋の)案内」を撮ってみるが、
ちょうど一年前の同会主催講習会の時も同じように撮っていたから、要するにワンパターンである。

トモシアのすぐ近くには、
大和と旧長岡現代美術館の解体後跡地に今年第一期オープンした「ミライエ」があり、3階と5階でミニ展示をしていると情報があったのでこの日はそちらも。3階はセルフ式カフェの受け渡し口の前にある壁を利用したもので長岡造形大大学院生のミニ個展。5階の展示は“まちかどギャラリー”と称するもので、どういう飾り方をしているのかと思いつつ向かうと、通路を使っての、天井からモビールのように作品プリントを吊るす方式だった。

長岡造形大学卒業生2人と同大大学院生の2人、大学での同期4人による展覧会。DMに会場名として「武田ビル」とだけあり、初めて聞く名だからと興味深々行ったところ、かつて営業していた古美術店を居抜きのように活用していた。なかなかセンスがいい。作品は絵画、木彫、鍛金による彫刻。
木彫を出されたかたが受付をしていた。作品は小型犬をモデルに、人間の身長くらいにまで巨大化して仕立てた大型彫刻。その大きさから卒業制作の作品かなと思ったらやはりそうだった。
後から(自宅に帰ってから)考えたのは、作品の見え方は卒展時のそれと今回と、相当異なるのだろうなということ。卒展会場の大学キャンパスは(自ら意図して狭い物置みたいなところを展示場所に選ぶのでなければ)天井高のあるスペースで、一方こちらの天井はふつうに低く、かつての古美術店らしさもちょっと醸し出しながらの小さな空間。巨大化させた作品は感覚的にはそれをデフォルメするようにより大きく見えてくるはずで、しかも入口の真ん前に鎮座させる佇まいだしねと、作品(モノ)と場との関係の面白さを考えてみたわけだ。
新作至上主義というものがあるけれど、新しく「モノ」を「作る」だけではなくて、場との関係でまた違った“作品”にと変貌することは時にある。
下の画像はDMと、会場で渡されたチラシ。裏面に作者コメントが記されていた。
いるね、いたね。
会期:11月17日(金)~19日(日)、23日(木・祝)~26日(日)
会場:武田ビル(1階)/長岡市城内町3-5-14
出展:諏佐あかり、谷原有咲、廣田わかな、田中真悠子

上京して柴山明子展など観たと前回(20日に)書き、SNSにリンクを貼ったところSさんからコメントをいただいた。その返信に
「(blogには)載せてないが自身の影の写真も撮った」と記したのは、彼女が以前、私の「影シリーズ」写真がツボだと言っていたのを思い出したからの即興で別段他意もなかったのだが、案の定というかなんというか、それは載せてくだされってリクエスト。で、まぁ出来の良しあしはこの際別にしてリクエストに応えてみたのが上の画像。
この日は新幹線を途中下車し、埼玉県内のとある作家のアトリエを午前中の早い時間にまず訪問したのだが、その際に待ち合わせしていた鴻巣駅前での一枚。まだ約束の時間には間があると思ってたら駅前ロータリーの反対側に相手の姿を見つけ、50メートルほど急ぎ早足で向かいながら(そんなさなかに長い影が伸びてると見てしまって)つい撮ったというものである。

鴻巣駅前

駅前ロータリー。ひな人形と花のまちと記されていた。

昨日の日曜日は上京しておりました。目的にしていた一つは
大森で開催中の柴山明子展で、展示風景の写真を撮るのは憚られたから画像は会場の「Gallery MIRAI blanc」入口を外から。会場風景は
ギャラリーのインスタにあがっているので興味あるかたはそちらを。
先月の高崎でたくさんの作品と接してましたが、ここではまた新しい展開を感じさせる作品もあって、長々と愉しんでました。


ギャラリーの向かい側に画材店があるんだと柴山さんから聞かされてはいましたが、袖看板に「ピカソの時間」だとか「こだわりの画材店」とあるのを見て、買い求めたい画材は特に思い浮かばなかったけれどこちらも寄ることに。
店に入ってから知ったのですが店内一角がミニギャラリーになっていて、今日20日からの「中村淳子油彩画展」の展示作業を作家本人がされていて、ちょうど終わったところだからと観ることができました。予期せずも同展来場者第一号にとなったわけです。
展示数は約10点ほど。油彩画展とあるようにほとんど油彩作品ですが1点だけコラージュ。油彩画展と銘打つのにコラージュが、それも添え物ではなくメインのような位置づけで飾られていたのが目にとまりました。
このコラージュ作品は、2015年に亡くなった
画家・金子國義が使っていた(作家が遺品として譲り受けた)アイボリー色の額縁に入れられています。
塗装を繰り返して作られた、中村さん自身が言う「まさに“金子國義”という額」に収めることを前提に制作されたコラージュで、展示全体として金子國義氏へのオマージュという意味が大きくあるようです。
A4-1枚に細かい文字で記された解説書(作者コメント)をいただき、帰りの新幹線車中で読んだところ「尊敬してやまないあの天才画家に少しでも近づきたいと願っての油彩画展」だと記されていました。またあわせて「あえて学生の頃には描いていた油彩画へ挑む挑戦です」ともあり、つまり今展は油彩画制作そのものにも特別な意味を込めての発表で、展名に入れ込んだ油彩画展の4文字につながってきます。
中村淳子油彩画展
会期:11月20日(月)~11月26日(日)、火曜定休/
大森アートポジション ギャラリー

さて、ギャラリーは大森駅東口から徒歩5分ほど。その道中にある「ルアン」というレトロな喫茶店はテレビドラマのロケにもよく使われる有名店らしい。そんな話を聞いていたから帰り道にその赤い看板に向けてシャッターをきったのだけれど、帰り道はやっぱり緊張感が完全抜け切るようで、ピントもあってないしもうブレブレ。
全国十数か所を巡回する
版画展「シードストーリーズ」、10日ほど前に
少し書いてましたが2020年から開催されており今年度は長岡で初開催となります。
(開催にあたってはアトリエZenにて協力しています)
シードストーリーズ(Seed Stories)では作品に毎回統一テーマが掲げられ、今年のテーマは「収集」。同じテーマで29作家が制作したA4サイズの新作版画を、期間限定特価一律9,900円(シート価格、税込)で販売いたします。
以下、長岡展のご案内。
29名の作家による小さな版画展
Seed Stories 23_24 [長岡展]
会期:2024年1月12日(金)~23日(火)/水曜・木曜は休廊
会場:ギャラリー沙蔵/
新潟県長岡市本町1-4-3 tel.0258-39-7093
長岡展website:
https://atelier-zen.jp/ss_nagaoka.html
協力:アトリエZen