
自作については、特にインスタレーション系の作品だと、展覧会が終わると「とりあえず倉庫へ」というパターンなのだが、それを無造作に続けていると収納しきれなくなり、制作スペースにも次第に浸食(影響)し出してくる。年末に大掃除をして毎年きちんと整理していればいいのだけど、年末は「この仕事は年内に!」と慌ただしくなること必至で、たいてい倉庫まで手が回らない。
なので、ここは徹底的に、ふだんはいじらない奥のほうまで、この際だからと片づけているのだが、う~む、いろいろと出てくるもの。高校生のときに授業で描いた油絵の自画像は、その存在を完全に忘れきっていたのだけど、奥の奥からそんなものまで現れたから面白いというかなんというか。
高校生くらいの作品だと、描いた張本人でありながら「いい絵だねぇ~」などと客観的に眺められるから、別人格になったよう。顔は濃いグリーンを基調に塗られ、背景に明るい赤色が混じる。小学生のころから「顔には“肌”色を塗りましょう」ということが嫌いで、グリーンとか藍色とか紫だとか、そのときに感じた色を好きに使っていた。当時としては異端だっただろうけど、そんなことまで思い出した。
ちなみに上の画像は、これとは全く関係なく、Yさんの事務所に掛けられていた油絵。私の描いたものではない。作者は割と有名なひとで、オークションでおとしたらしいけど、作者名も聞いていながらうっかり失念した。キャンヴァス側面の生々しさがいい感じ。

左は大学2年のときに描いた裸婦クロッキー。 掃除の最中に、こちらは部分的に写真におさめてみた。
「感動は3分で逃げるから、3分以内に早く描かなくてはならない」というようなことを、そのころ公言していた気がする。5分ポーズで数枚描いていたから、描写時間はおそらく2分くらいのものか。
画像はコンテで描いたものだが、当時のクロッキーではコンテの他、ボールペンが好きでよく使っていた。コンテは画材店で適当に買ってきて特に銘柄を気にすることもなかったが、ボールペンは三菱社製の青と決まっていた。インクの出がダントツにスムーズで、クロッキーのスピードに追従させるにはこの会社の「青」がとにかく一番だったから。特に高級仕様でもなんでもなく、ごくふつうに文房具店で廉価で売っていたボールペーンなのだが、(インクのスムーズさにはとにかくこだわっていたので)これでないとクロッキーには臨めなかった。ボールペンの製造技術もどんどん変わるから今は違うんだろうけどね。
ということで、たまに掃除なんかを大々的にやってしまうと、古い作品見つけては、昔はどう考えて絵を描いていたかなんて回顧してしまい、なかなか先にすすまない。
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