
数日前の新潟日報、上は17日同紙朝刊・文化欄から。
東京都現代美術館で開催中の「風が吹けば桶屋が儲かる」展に関しての記事。同展に出品される田中功起「アーティスト・スティトメント」は、出展といいながら美術館内に作品そのものはなく、「作品がないと告げること」自体が作品だそうな。
展示超えて広がる想像、とか、不可視のものに想像を巡らす楽しみ…と言うなら、それはそうであるけれど。
さて、そんな記事を読んでいたら、大学生のときに学生仲間10人くらいで、銀座でグループ展をおこなっていたことを思い出した。
グループ展では、来場者に配布する「展パンフレット」に展示作品のリストを掲載するため、作品のタイトルを2週間くらい前に幹事(私)に提出することになっていたが、出展者のひとりMさんは、「見つからない」という作品名の絵画だとエントリーしてきた。
「見つからない」とはどんな絵が出てくるかと楽しみにしていたら、結局、最後の仕上げが間にあわなかったのか失敗したのか、当日持って来れず、会場で(リストにはちゃんとあるのに)作品が本当に「見つからない」というオチがついた。特にコンテンポラリーでもなんでもないのだけど、そんなことを思い出してしまった次第。
ちなみにその翌年、同じメンバーでまたまた銀座でグループ展をおこなったが、くだんのMさんの作品エントリーは「まだ見つからない」というタイトルだった。
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