
借景のある特徴的な窓ガラス部分に敢えて設置された“菱形”の大きな3点は、先月開催した「弥彦・野外アート展」の出展作をベースに個展用にアレンジされたもの。
今回の個展では「ひし形」がひとつのテーマとなっているよう。大型の上記3点のほかも菱形をモチーフにそのかたちを組み合わせ、構成しての小品も多くて、目立っていた。
菱形といえば私の場合は数学好きということもあって、また作家の田中さんがいたものだからつい、たぶん中学校の数学で出てくる「四辺形の性質」の話をしてしまった。作品名に「ひし」とあるし、菱形って何だったっけ?と気になるのである。要は、菱形は平行四辺形であるけれど平行四辺形は必ずしも菱形ではなく、それを分ける要素は何かという、定義の話。まぁ中学生が習うものだから難しいことではないが、数学を縁遠く思っている大多数の大人にしたら、言われてすぐピンとくるものでもない。だから田中さんがその話にすかさず反応し、即答してきたのにちょっと驚いた。
聞けば、高校生のときは理数系にいて特に数学の図形系は強かったらしい。今はカリキュラムも変わっているだろうが、当時は国公立理数系を目指す理系特化した高校生のみが履修する「数学Ⅲ」という教科があり、そこまで履修していたとのこと。だから話はしばし数学。田中さんの作品はずっと見てきて、これまで数学的という感覚はなかったが、なるほどと面白かったのだった。
田中幸男展は明日17日までの開催。
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