TWOOL GALLERYの木造2階建ての建物は柱や梁があらわしで、そんな木の軸組と白い壁が映えるスペース。階高も高く、大きな窓がある開放的な空間は魅力的な特性を持つ場所でした。来場されたかたは(ほとんどがこの場所に初訪問ということもあり)一様に驚かれていましたが、2展ともその空間特性を活かした企画提案で、かつvol.1の「現代絵画とインスタレーション」、vol.2の「鉄彫刻とレリーフ」のそれぞれで、色合いを特徴づけて変化させました。2展連続の「シリーズ」企画としての意義も大きく出せたのではないかと思います。
いま「空間特性を活かし」と書きましたが、その特性は必ずしもよいことばかりではなく、例えば窓のある明るい空間の一方には、窓から日が射し込むというデメリットや展示上の制約が内包されています。ですから実際には展示の難易度は高く、それらも組み入れたうえでの企画でした。店のオーナー氏らからも高い評価があり、オーナーとの出会いから急遽今年立てた新企画でしたが、アトリエZen的な発想や感覚も生かせ、やれてよかったと考えているところです。
展覧会中に「次回のvol.3展は?」との問い合わせも多く受けました。中には、vol.1に来場されたあと「vol.2に行けば次の展示案内が出ているはず」とそれも楽しみに再来場された(=早くも常連となった)かたもおりました。そうした問い合わせには「次回計画は検討中」とやや言葉を濁して答えておりましたが、いささか曖昧な答え方は、TWOOLGALLERY自身にリニューアルの計画案があったからでした。控えていたそのリニューアル計画がここにきて始動の見込みとなり、スペースや業態の変化も大きく出ますので、今回のようにこの空間全域を駆使する展示となると同ギャラリー最初で最後の可能性もあります。逆に捉えると、企画者側にとっても鑑賞者側にとっても今回は貴重なシリーズ企画になるのかもしれません。




アトリエZen in TWOOL GALLERY
vol.01 外山文彦展:2020年10月02日~10月17日 [記事index]
vol.02 霜鳥健二展:2020年10月24日~11月15日 [記事index]


↑ vol.01の外山文彦展の展示風景。右画像は同展第二展示室から
- 関連記事
-
- 2020年アトリエZen企画の回顧-01 作品記録集の発行 (2020/12/20)
- 企画の雑感-02と現代アーチストセンター (2020/11/18)
- シリーズ「アトリエZen in TWOOL GALLERY」企画の雑感 (2020/11/17)