
昨日記した「マティス 自由なフォルム」展について、“晩年の「切り紙絵」作品を画業全体を踏まえて初めて本格的に紹介する”という記事に接しながら、大学生のときの愛読書「マティス 画家のノート」の表紙は今回紙面掲載された“青い裸婦”が使われていたなと思い出し、本棚の奥から取り出してきた。作品は同一ではなく、見たら別バージョンだったけれど。
400ページ超の分厚く、ハードカバーの重たい本であるのに、電車で1時間以上かかる友人Aくん宅に遊びに行く際にも「ノート」のように片手に抱え、車中でもしきりに目を通していた記憶がある。だから保存状態はあまり綺麗ではない。本文内にところどころ記されているメモや赤鉛筆の傍線は、ずっと本棚に眠っていてすっかり忘れているが、読み返すと忘れている当時の自分の考えもわかるかもしれず面白そうだ。表紙の絵が好きだったが、アマゾン見たらいまは新装版になっていて、変更がなされていた。
そのころいつも持ち歩ていたからか、パラパラとめくっていたら中に小さな紙が挟まっていて、記憶に消えていた当時のメモが出てきた。

当時はまだアクリル絵具は使っておらず油絵を描いていて、作品名と、F20とかF60の大きさの羅列は、東京蒲田の喫茶店地下の画廊を使ってAくんとおこなった二人展に向けた作品リスト(の検討メモ)と思われる。タイトルの付け方も「椅子に座る少女」だとか「ほおづえをつく女」とかそのまんまで、そのまんまなのは研究所でモデルを使って描いていたからということもあるけれど、今とは雰囲気が違う。