そういえば昨秋の展覧会に来場された、そのとき初めて会う長岡造形大生が、美術系ではなく建築環境系を専攻する学生だったけれど、李禹煥の話を熱心にしていた。いまの建築の学生が李禹煥?と、面白く思いながらもちょっと驚き、こちらも合わせて話をしていたら、向こうは向こうで「李禹煥ご存じなんですか?!!」と驚いていた。そんな驚きに対してまた驚くんだったなと、そんなことを思い出した。


氏の著作「時の震え」をだいぶ昔に買っている。
とは言っても、以前書いた堀内正和の本とは違ってなぜか記憶にそう深くない。熱心に読んだかどうかも今となっては怪しく、どこで買ったのかも皆目覚えてないが、倉庫の書棚から出てきたので写真に撮ってみた。発行は今はもうなくなった小沢書店。1990年発行初版本で「小沢コレクション29」と銘打たれている。
作者あとがきをみると編集方針として「論文調の硬く長いものや仕事上のメモとかアフォリズムなどは意識的に除き、できるだけ軽く短い身辺雑記的なものに的を絞った」とあり、要はエッセイ集という形態。今だと受け取り方もまた違うけれど、当時はそうしたエッセイにいまひとつピンとこなかったのかもしれない。
日曜美術館の李禹煥「わたしと雪舟」は、今夜8時から再放送。