
9月2日から長岡市美術センターで開催する立川晴一展。生誕100年記念と銘打つだけあって展示作品数は80点を超え、大型の展覧会となる。作品搬入ひとつとってみても事前準備が相当あり、その作業にすでに入っている。
そんななか本展用に新規制作依頼した額が出来あがってきた。その中の1枚、一般的な額装ではなく少し特殊なおさめ方をしたものを(角の一部分だけ切り取って)掲げてみる。それが上の画像。
鉛筆と水彩によるスケッチ画で、画家の没後ほとんどそのままだったアトリエ内に、スケッチブックから無造作に切り離された状態で置かれていた一枚である。状況もそうだし余白が多く残る描き方から、ひょっとすると描画途上の絶筆作品の可能性もあるねと思えたが、セザンヌに傾倒していた氏には特に水彩で余白を活かした描写がよくみられ、そんな氏の感覚なり絵心が伝わる一枚とも捉えられる。 画家のアトリエのテーブル上に偶然見つけた“作品”に、これはすごくいいからと、ご遺族にぜひ額をそれ用に新しく作ってほしいと頼んだ次第である。
展覧会の額は、画家が生前使っていたものを多く使用する。古いもので金具がどこかになくなっていたり等々不具合もあるから、ちょっとした補修の作業をここのところ、様子みてすすめていた。今回の展覧会では最初の作品調査段階で学芸員みたいなことも久々にしていたけれど、一方では額屋さんみたいだ。

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