
会場の「旧廣盛酒造」の外観をまず載せたが、廣盛酒造とは明治18(1885)年創業の蔵元。近年まで日本酒が造られていたが酒造としての役割を終え、そのあとリノベーションされたと観光協会のサイトに出ていて、まずそうした会場特性に対して興味を抱くわけなのだが、最近知り合ったDamaDamTalのお二人が新プロジェクトとして昨年始動させた「体感展企画室」が本展の企画と主催をしており、そのキュレーションにも興味をひかれた。
参加アーティスト
アーサー ファン/CLEMOMO/DamaDamTal/春田美咲/半谷学/山口諒/
Jun Futamata/SUPER-NATSUKI-TAMURA
展覧会の特設ウェブサイトには参加アーティスト8作家がこのように記されているが最後の2作家はパフォーマンスによる参加で、いわゆる作品を“展示”しているのは6作家。ちなみに書けばCLEMOMOとDamaDamTalはユニットで活動されているので6作家=6人ということではない。

会場で渡された案内図には、建物の1階と2階および敷地内別館を使っての6作家の作品配置が簡潔に記されている。整然と部屋が並んでいるように見えるものの、元々が日本酒醸造所だから濃緑色の大きな古いタンクが点在していたり(聞いたら相当に古いものが遺されているらしい)、2階の「5」は麹造り用の特別な部屋だったのではないかと見え、金庫室のような厳重な扉に前室がつき中は天井高が低く木の壁で区画された異質な空間。醸造所のさまざまな当初用途に合わせて形成された空間はだから一様ではなく、さらに床下ピット的な半地下の小スペースを使っていたり、また1階の「2」と「3」はつながっているようにみえるが建築物としては別棟で、「2」はその緩衝帯のような狭く細長いスペース(↓)。おまけに擁壁みたいなものも鎮座する。







建築的な写真がなんだか多いようだが、観覧中、現わしになっていた屋根の小屋組もつい撮っていたのでそちらも。
展示作品のほうも(撮影OKですよという言葉とともに)撮らせてもらったが、そうそううまくいかない。下の2枚はDamaDamTalさんの「しかばね百貨店」と題されたインスタレーションで、過去の個展や公演のチラシを紙粘土化し石のように丸めたものが多数敷き並べられ、他、素材は“捨てられていたもの”“不用とされていたもの”。面白く好きな作品なのだが、そうした“面白さ”は写真では伝わらないようで。


インスタ映えがするだろうと思われたCLEMOMOさんの作品は、面白い写真が撮れたものの他の一般来場者女性お二人の後ろ姿が入り込み(大空間を大胆に使った来場者参加型の作品と言え、顔が写りこまないように人物を入れたのは意図的ではあったのだけれど)、アップするのを躊躇した。
押入れ百貨展/ 7月17日~31日/会場:旧廣盛酒造(群馬県吾妻郡中之条町)
https://www.taikanten.com/oshiire
入場料:無料(ただし金曜・土曜・日曜祝日の17:00~19:00は展覧会全域が催し物会場となり入場料1000円が必要)/主催:体感展企画室
● 2022.07.30 blog/後日談および「しかばね百貨店への追記」
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